フットケア?小さな一歩から始まる

フットケア

私は現在、デイサービスで働いています。そこではフットケアが行えていないのですが、足に関することはスタッフにも人一倍うるさく注意しています。

その中でも一番気をつけてもらいたいことは入浴後の足指間をしっかり拭くことです。

足の指の間は、水虫が発生することが多く、足を清潔に保ちにくいお年寄りは特に、水虫に注意が必要です。たかが水虫とは言え、それが原因で足を切断することになるのです。

また、足指間をタオルを使って、他人に拭いてもらうと、どうしても足指を広げなければなりません。お年寄りの足の指は硬くなっていることが多く、日常の生活で足指を広げる機会はないので、入浴後の足の指の間を拭く動作をフットケアに繋げていくのです。

あるご利用者様は、外反母趾が強く、軽度の知的障害もあり、他人に体を触られることが苦手な方でした。入浴の際も、手の届きにくい背中や足を介護スタッフがお手伝いするのですが、その方は足は「自分でするから触らんとって」と触れることすらできませんでした。

ある日、その方から私が他のご利用者様の足の爪切りを見て「足の爪切って欲しい」と依頼があり、初めてその方の足に触れることができたのです。

しかし、外反母趾が強く足の指が変形した状態で、足指の関節が硬く指を開けない状態でした。指の爪一本一本丁寧にふき取り、伸びきった爪を切ります。「怖いから、見やんとくわ」と恐れられながら、左右の足の爪切りを終えることができました。その後、「足が軽くなったわ。また、切ってな」と喜んでいただけました。

約2,3週間後、もう一度爪切りをしたのですが、左右の人差し指や中指の関節のところが赤くなっていました。外反母趾による足の変形から、ハンマートゥになり、足指の関節部分が靴に当たり、発赤、ひどくなれば褥瘡を形成します。

ここでフットケアは出来ないけど、その方にこの足の状況を説明し、なるべく足を開くようにすること。このままだと、この足指の関節に傷ができて、傷ができると治りにくいことを説明しました。
その時の爪切りの時も、以前より足指を開けるよう、指を固定し、爪切り後には指回しを、痛みを訴えることもあり、中断しながらですが実施できました。

その方の入浴後も、足指の間を拭かせてもらえるよう、何度も足の状態を説明し、少しづつですが、足を触らせてもらえるようになり、今では、他の介護スタッフに「足洗ってくれる?」と足に触らせてもらえるようになっています。

それから1カ月程度ですが、先日その方の爪切りを行った際、足指の関節が以前と比べようにならないくらい柔らかくなっていることに、私自身が驚きました。足関節の発赤もまだ持続していますが、赤みは以前より軽減しています。

あの時、何度も説明して足を拭きに行って良かった!フットケアを直接施してはいませんが、その方の足指のためにはあの時に行動したことが、小さいですがフットケアに繋がったと思います。

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